SHARAKU ( 写楽 ) 6.4。
サーフボードはアウトラインやロッカー、そしてボードのバランスがとても重要だし、これらの事がサーフボードの性能の大部分を決定づけていると言っても過言ではありません。
そして、それと同じくらい重要なことがもう一つあります。
それはシェーピング技術です。
これが伴っていないと良いサーフボードを作ることはできません。
友人のシェーパーも言ってましたが、”1000本削ってやっと一人前のシェーパーって言えるんじゃないかな。” って、私もそう思います。
というよりも、そう思いました。
これは職人シェーパーのハンドシェープの話です。
とは別に、最近はハンドシェープの経験があまりない、マシンシェープ ( コンピューター ) のシェーパーの方もいらっしゃるそうなので、その方々はどうなのか?はちょっとわかりませんけど。
あっ、私もマシンを使っていますが、私の場合はハンドで修行しましたのでベースはハンドシェープでございます。
サーフボードをシェープする時に使うシェープルームというのは、窓もなく暗い部屋です。
で、中央の馬と呼ばれる台の上にフォームを置いてシェープするのですが、横から蛍光灯の明かりを照らしてフォームに映る影と明る部分のコントラストをチェックしながらシェープします。
さて、フォームの表面にバンプ ( 凸凹 ) があると影がマダラになって見えます。
バンプのない、きっちりシェープされたフォームは綺麗なグラデーションの影になって見えるんです。
シェーパーはサーフボードの正確なラインをつなぎ合わせることによって出来上がるバンプのない美しい曲面を仕上げることにもっとも苦心しているんです。
< 1枚目の写真 > ノーズエリアは、テールに比べてどちらかというと重要視されていないような感じですが、水が最初にエントリーする部分なのでとても重要です。
ここに僅かでもバンプがあると水の流れを堰き止めることなってしまうのでテイクオフが遅くなってしまう原因になります。
< 2枚目の写真 > テールエリアはとても重要な役割を持った部分ですが、ご覧のようにバンプのない美しい仕上がりになっています。
因みに、ボトムにはノーズからテールまでディープなシングル〜ダブルのフルコンケーブが入っています。( HYDRO PLANE HULL + TAIL FLIP )
< 3枚目の写真 > 完成した SHARAKU のフォルムです。
歪みのないスムーズな美しいラインで繋がっていることが大事です。
皆さん、SNS などでシェープされたフォームがアップされているのをご覧になる機会が多いと思います。
その時は以上のことに注意しながらいろんなシェーパーがシェープしたフォームを見比べてみると、細かいバンプがあるなあとか、雑だなあとか、流石!すごく上手だなあとか、様々なものが見えてきて勉強になるし面白いと思いますよ。