楽に早くテイクオフをするには、どんなサーフボードにすれば良いのか?
誰もが直ぐに思い浮かぶのは浮力をアップするという方法ではないでしょうか。
それは正しいことは正しいんだけど、それだけに頼って解決するのは短絡過ぎて面白くない。
私のシェーパーとしてのプライドが、シェーピングの科学的なノウハウを使って浮力に頼らないテイクオフの早さを実現したいと思うわけです。
例えば、リリースしてから20年以上経過している JENNIFER ですが、I-MODE-D / HITOY SURFBOARD を語る上では外すことのできない代表的な傑作モデルの1つです。
20年以上前の1st モデルは、ある一定程度を浮力に頼ったオーバーフローモデルでした。
驚きのテイクオフの早さも運動性能もユーザーの方々を満足させるもので、多くのユーザーの方々から高い評価を得ることができ人気定番モデルになりました。
ただ、連続で続くドルフィンスルーはちょっと辛いのが唯一の欠点でした。
「ドルフィンスルーはちょっと大変な時もあるかもしれないけどいっぱい波に乗れて楽しいのと、ドルフィンスルーは楽だけど波に乗れる数が減るのとではどっちが良いですか?」とよくお客様に問うたものです。
しかし、この欠点を解消すべく 2nd から現行の3rd モデルではコンピューター上のマスターデータをいじってロッカーの改良を施しました。
このロッカーはコンピューター上で作った完全なオリジナルロッカーなので既存のブランクスからハンドシェープで正確に再現することは至難の業になってしまっています。
また、最新のシェーピングではすべてのモデルでのハンドフィニッシュによる CONCAVE のアップデートによって今まで以上にさらに滑り出しが早くなっています。
お客様の言葉を借りると「まだうねりのうちからす〜っと!テイクオフのスイッチが入ったことに気づかないうちに滑り出している。」のだそうです。
もちろん、1st モデルよりも大幅に浮力をダウンさせているのでドルフィンスルーはイージーです。
COMP ボードよりも浮力はありますが、通常の場合はドルフィンスルーが大変だ!という浮力ではありません。
ただし、さらに浮力を増やせば増やすほど、もっともっと超絶なズルボードになることは間違いありませんけど。笑
シェーピングは、シェーピングテクノロジーとシェーピングのクウォリティーの2つの要素から成り立っています。
シェーピングクウォリティーは、如何に正確で精密なシェーピングで仕上げられているかということ。
シェーピングテクノロジーは、科学的なシェーピング理論に裏付けられた独創性と美的センスの融合から機能的で美しいサーフボード (芸術品) を生み出す設計図です。
シェーパーは、職人であり芸術家でもあるのです。
最後はちょっと格好つけ過ぎちゃいましたね。笑
と言いながらですが、私はこんな感じでサーフボード作りをしています。