ファッションデザイナーが新しい洋服を作る際に、まず頭の中に浮かんだイメージをラフなデザイン画に描いて、それを元にパターンを起こし、そしてサンプル製品を作るのだと思います
私がニューモデルを作る場合も同じように頭の中に浮かんだイメージをブランクスに直にラインを引いて作ります
時には何度も描き重ねたことによってラインが判別できなくなって黒鉛筆から赤鉛筆に換えて引くことがあるくらい悩むこともあります (笑)
まず Length と Width を決めます
私の場合の多くは、これまで作ったテンプレートを流用したり、複数のテンプレートを組み合わせてイメージ通りのアウトラインを引くのです
時にはフリーハンドで修正する場合もあります
ノーズから1ft の幅、テールから1ft の幅を設定してアウトラインを引かれる方もいらっしゃるようですが、私の場合はアウトラインを引く際にこの数値を使うことはまずありません
これらの数値はラインを引く前に決めてあるのではなく、私の場合はラインを引いたその後に付いてくる結果の数値でしかありません
これらの数値を先に設定してしまうと、時としてこの数値が足枷になってイメージ通りのアウトラインを引くことが出来なかったりするからです
アウトラインでもっとも重要なことはバンプ(凸凹)のない美しいスムーズな曲線のアウトラインを引くことです
アウトラインは、シェーパーの美的センス!芸術的な感性が求められているのだと私は思っています
機能的な面においても、アウトラインがスムーズに繋がっていないことによってできるバンプは、その凸凹部分が水面を切った際にレールがおかしな挙動を起こしサーフボードの安定を崩すことにつながります
最悪な場合はスピードのロスだけでなくワイプアウトにさえ繋がりかねないのです
という理由から、私はイメージ通りの美しいスムーズな曲線を引くことを最優先にしているのでノーズから1ft の幅、テールから1ft の幅という数値を使わないのです
フェラーリがそうであるように、美しいスムーズな曲線で構成された機能美は高性能なことだけでない付加価値を有することになるんだと私は思っています