
『長瀬さん、おはようございます。
チャドからの 6’0” KIRINJi の First Impression です。
ノースショアのガムス、バックドアで4ー5フィートの波でやったそうです。
まずスピードがとても速いと言ってました。
ノーススウェルなので早くて、その早いチューブの波にもついていけて良い波をメークできたそうです。
そしてクローズアウトのセクションでもスムーズにフィンを抜いたターンもできて最高!だったと言ってました。
ただボトムターンの時少しスタンスに戸惑ったけど、少し調節したらしっくりはまるようになったそうです。
良い板を削っていただいて、大変感謝しておりますとのことです。』
付け加えれば、シェーピングにあたって日本用とか、ハワイ用とか、特別なカスタムオーダー以外はコンプ系ボードだろうと、オルタナ系のボードだろうと、すべて日本と同じシェーピングで削り分けは一切していません。
ハワイの4人のアンバサダー達は、湘南で使っているサーフボードと同じボードがそのままハワイでも調子良く機能するということを実証してくれています。
時々「湘南は波が小さいけど、こっちは波が大きいので大きい波用にシェープして下さい!」とお客様にお願いされることがあるのですが、
このリポートからも、それはまったくナンセンスな話だということが理解できると思います。
一般的には、調子の良いボードは万国どこの波でも調子が良いものだと思うんですよね。
逆に、プアな波が多い湘南だからこそサーフボードには高いレベルのクウォリティーが要求されていると思うのです。
湘南の膝腰サイズのパワーのない波で如何にテイクオフが早くて良く走るか!、それに回転性も付随して。
波のパワーの恩恵をあまり受けられないプアで厳しい波の条件でハイパフォーマンスを発揮するサーフボードを作ることはとても難しいことです。
でも、パワーのある良い波では波の力が助けてくれるのでサーフボードは走ってくれます。
極端に言えば、パワーのある良い波では多少の難があってもそれなりに調子良くサーフィンできます。
よく聞く話に「向こう(海外)で使った時は調子が良かったのに、日本に持って帰って使ったらそれほどテイクオフが早いわけでもなく、向こうで使っていた時のようには走らないのでスピードも出なくてなんかイマイチなんだよね!」なんていう話を聞いたことはありませんか。
パワーのないプアな波でもテイクオフが早くてスピードも出て良く走るということは、もっと条件の良いパワーのある良い波ではさらにもっと早い!ってことになると思うのです。
私は、ボトムのシェーピングの精度については本当に細心の注意と時間をかけてシェーピングをしています。
素人の方にはまったくわからない本当に微細なバンプまで時間をかけて丹念に潰すように努めています。
10万円以上もする高額な商品なのですから、私にできることはすべてやる!ということがお客様に対する責任でありシェーパーとしてのプライドでもあります。
只、自分が持っている現時点でのスキル以上のことを求められてもできませんけどね〜。